トラックマン(弾道計測器の最高峰)の全貌とゴルフにおけるメリット
- Taku Ouchi

- 11月14日
- 読了時間: 9分
更新日:2 時間前
トラックマンゴルフとは?
トラックマンは、2022年から、US PGA TOURで、すべての試合の全ショットを測定し、公式データとして活用されています。
軍事技術を応用し、光学強化レーダー追跡(OERT)技術を使用して、クラブフェース上の正確なインパクト位置を捉えます。これは、他では得られないレベルの精度です。弾道測定器というジャンルを作ったトラックマンは、インドアゴルフの練習場でも、アウトドアと同じ測定値を追求しており、精度の高いデータを提供することで高い評価を得ています。
最近では、野球でもトラックマンのデータが多く活用されておりますし、屋外の打ちっぱなし練習場でも、トラックマンレンジが設置されている場所が増えてきておりますね。
私自身、ゴルフを始めて数年経ったくらいの、2014年に、個人的にトラックマンを購入しました。価格は非常に高価でしたが、クラブ軌道、ボールデータ、あらゆるものが計測されるということに驚き、是非試してみようと思ったのです。しかしその頃はサラリーマンでしたから、そこまでトラックマンを利用する機会、時間はなかったわけですが、2025年3月に、自分のインドアゴルフ練習場を開業し、本格的にトラックマンを毎日のように利用できる環境を作ることができました。
現在、PGAツアープロのトップ100人のうち90人が購入し、実際に練習に使用し、高く評価されています。そのため、トラックマンを利用すれば、プロが行う練習を、同じように行うことができます。
最新のトラックマン4に搭載されているシミュレーションコースは、2025年現在、世界320コース以上。日本で有名なコース、太平洋御殿場や川奈ホテル富士コースなどもラウンドすることが可能です。全てのコースでGPS付きドローンを飛ばし、オリジナルデータを仕上げています。リアルな飛球が、リアルなコースを、リアルタイムで飛んでいきます。バーチャルとは思えない、迫力ある画面で、初めてトラックマンを利用するゴルファーは、新しいゴルフ体験として充実した、最適な練習をすることができるでしょう。
トラックマン4は、40以上のデータ項目にも及ぶショットのクラブとボールの詳細なデータを入手、解析してくれるので、あなたの強みとパフォーマンス改善の余地をより深く理解できます。AI診断で、あなたにとって最も有効な改善プランを提供します。
また、トラックマン4は、パッティングを分析することも可能です。
Precise golf lab新宿御苑前店では、最新のトラックマン4を、左右両打席可能な広々とした完全個室、3つのPCモニターと大型プロジェクタースクリーンでご利用可能です。

トラックマンの技術的特徴
さて、ゴルフの弾道計測器やシミュレーターは数多くあります。Golfzon、Fullswing、Flight Scope、Foresight、Uneekor、Trugolf、Golf Joy、Pro Tee、その他低価格帯の機種、製品もあります。そのなかで、トラックマンは何が優れているのでしょうか。一番大きな技術的優位点としては、「デュアルレーダーで、ボールのフライトとクラブの動きの両方を、高いサンプリングレート(約20,000Hz。2つのレーダーで合計毎秒4万ポイントのデータを取得。この数値が高いほど、短距離のボールデータやクラブデータを高精度で特定することが可能となる)で「直接」測っていることではないかと私は考えています。
デュアルレーダーにするということは、ボールとクラブのデータそれぞれに専用のレーダーがついたということであり、1つのレーダーよりも正確性、安定性に優れていると言えます。また、デュアルレーダーにすることにより、ウェッジのデータがより正確になったという進化を遂げております。
また、Foresight社のGC QuadやFlight Scopeはカメラ式の弾道計測器となります。カメラ式には、室内の短い飛距離でも計測が成立するため、室内シミュレータとの相性が良い点が魅力ですが、一方、基本的にはインパクト付近のみを見ているため、物理モデルでどうしても推定が入る点により、照明条件、ボールのマーキング、カメラの設置位置などで精度が変わってしまうデメリットがあると思います。
また、他の赤外線マット式、簡易センサーなどになると、スピン量などはほぼ推定値となりますので、スピン量・スピン軸を直接計測し、曲がり方まで定量化するトラックマンと比べ、データのレベルは別次元と言って良いでしょう。
トラックマンは圧倒的なビッグデータを保有
トラックマンは、2024年に、全世界で12億球ものボールデータを取得し、そのビッグデータにより、より精緻な弾道モデルに進化しています。室内におけるキャリー表示等の信頼性も非常に高いと言えるでしょう。トラックマンは、PGA、LPGAツアーや、アマチュアの平均値データも公開していますが、これは膨大なショットデータがあるからこそでしょう。このデータをみることで、トラックマンで練習するそれぞれの人が、何が課題なのかが可視化されるわけです。世界標準と比較した、自分の課題が見えてくるというわけですね。
また、無料のトラックマンのアプリをダウンロードすることで、自分自身の過去のボール、クラブデータと、今現在のデータを比較することも可能です。調子が良い時、悪い時の自分のスイングの特徴を把握して、すぐに課題を洗い出し、改善することができるでしょう。また、その情報を、知識があるティーチングプロに見せれば、よりゴルフレッスンも有意義なものとなるでしょう。
トラックマンで得ることができるデータ
ボールデータ、クラブデータを合わせて、30種類以上のデータを瞬時に計測することが可能です。別記事で、より重要な項目については、深く解説をしておりますので、そちらも是非ご覧ください。
ボールデータ
ボールデータは、ゴルフスイングの結果を反映する重要な要素となります。トラックマンでは、打ち出し(Launch)・飛球(Flight)のデータとして計測されます。
インパクト直後に計測されるボールの速度(初速)。
測定されたボールスピードを、クラブスピードで割ったもの。ミート率は、インパクト効率を表す。
インパクト直後のボールのスピン量。
ボールのスピン軸の地平線に対する傾き、角度。
インパクト直後の、水平線に対する垂直方向の離脱角度。
ターゲットラインに対する、ボールの打ち出し方向(左右)。
カーブ(Curve)
ボールの打ち出し方向に対する曲がり幅(左右)。
最高到達点(Height)
飛球の最高到達点。
ボールが空中を飛行する水平距離。
トータル(Total)
キャリー距離+ラン(計算値)。
トータルサイド(Total Side)
ターゲットラインと、ゴルフボールの計算上の静止位置との垂直距離。
着地角度(Landing Angle)
ボールの落下角度(打った地点からの水平を基準)。
滞空時間(Hang Time)
地面が平坦であると仮定した場合の、ボールが着地するまでの空中飛行時間。
クラブデータ
ボールデータに大きな影響をおよぼす、クラブに関するデータ項目です。
インパクト直前にクラブヘッドが移動している速度。
インパクト時のクラブヘッド中心の上下方向の動き。
インパクト時のターゲットラインに対するクラブヘッドの動き。
インパクト時の、ボールとの接地面におけるクラブフェイスのロフト量(地平線基準)。
インパクト時の、ターゲットラインを基準としたフェイスの向き(ボールとの接地面)。
インパクト時の、クラブヘッドの移動方向(アタックアングル)と、クラブフェイスの向き(ダイナミックロフト)との間の角度。バックスピンの強さを決定する。
フェイスアングルとクラブパスとの角度差。
インパクト前後にヘッドが通過するスイング弧の、地面に対する角度。
スイング弧(クラブパスではない。膝の高さ付近からインパクトまでのクラブヘッドの三次元位置を測定)のターゲットラインに対する角度。
膝の高さからインパクト直前までを測定する。その軌跡を円に近似し、その半径を測定。
ローポイント(Low Point)
インパクトからスイング軌道の最下点に対する距離。
ローポイント高さ(Low Point Height)
インパクト時のクラブヘッド位置と、スイング軌道の最下点との相対的な垂直距離(上下)。
ローポイントサイド(Low Point Side)
インパクト時のクラブヘッド位置と、スイング軌道の最下点におけるクラブヘッド位置との相対的な水平距離(左右)。
Dプレーンの傾き(D Plane Tilt)
Dプレーンとは、クラブフェイスの方向と、クラブヘッドの方向のなす面であり、その傾きのこと。よって、フェイストゥパスが0度の場合、Dプレーンの傾きも0度となる。ギア効果等の要因を無視した、想定されるスピン軸である。
インパクトオフセット/インパクトハイト/ダイナミックライ
インパクトオフセットは、クラブフェイスの中心からみた、インパクトロケーションの水平距離。すなわち、トウヒットかヒールヒットかを表す。
インパクトハイトは、クラブフェイスの中心からみた、インパクトロケーションの垂直距離(上下方向)。
ダイナミックライは、インパクト時のシャフト下部の水平面に対する角度。ゴルフクラブは購入時にスタティック静的ライ(Static Lie)が設定されており、これはシャフト下部の水平面に対する角度を指す。このシャフトと水平面の角度は、プレイヤーのクラブ操作方法によってインパクト時に変化する。インパクト時に測定される角度がダイナミック(動的)ライ(Dynamic Lie)である。
トラックマンの利用場所の選び方
トラックマンは、世界中のインドアゴルフ練習場に導入されておりますが、その全てが、 https://www.trackman.com/locator
このURLに掲載されております。
アメリカでは、2023年、ゴルフコースでプレーする人よりも、コース外(インドアゴルフなど)でゴルフをするという人が、650万人も多かったそうです。日本においても、特に都会において、外の打ちっぱなし練習場の数が減るかわりに、インドアゴルフ練習場がまだ増加していく段階だと私は思います。

トラックマンはあなたのゴルフ練習を大きく変える
日本においても、トラックマンを使える場所は段々と増えてきています。自分が通いやすい場所をチェックして、是非体験してみてください。使い方に慣れないうちは、計測データの意味や改善方法など、分かりづらいことも多いですが、要点をつかめば、これほど有意義な練習はないと感じることでしょう。
このブログでも、定期的に、トラックマンデータの活用方法を記事にしていく予定です。
Precise Golf Lab 新宿御苑前店では、最新のトラックマン4、傾斜プレート付SDRを利用して完全個室で練習することが可能です。また、優秀なトレーナーによるパートナーストレッチも通い放題プランがあります。そして、レッスンオブザイヤーにも輝いた、永井延宏プロによる、トラックマンを利用した個人レッスンも受講可能です。
ご興味を持たれた方は、是非ゴルフ&ストレッチ無料体験にお越しください。トラックマンのデータの見方、活用方法などは、Trackman Certified Professional Level2 を取得しているオーナーの大内が体験時も、入会後も、常に無料で説明させていただきます。





