キャリーを知ることはゴルフの上達に不可欠(トラックマンをより楽しく)
- Taku Ouchi

- 7 分前
- 読了時間: 8分
キャリーは、各クラブで把握するべき最重要な要素
池越えのショット、うん、このクラブで届くはず、、と思って、見事に池ぽちゃしたこと、ありませんか?色々な要因はありますが、「あれ?ナイスショットしたのに、風もないのに、池ぽちゃしたぞ」という時は、自分が自分の各クラブのキャリーを把握していなかったことが大きな理由の一つだと思います。
キャリーとは、ゴルフボールの打ち出し地点から、「打ち出し時と同じ高さの」地点を通過するまでの直線距離です。つまり、キャリーは、ボールが空中を飛行する距離のことを言います。キャリーの値は、ボールを打った地点と同じ高さの着地点を前提に計算されます。そのため、「キャリー・フラット」とも言われます。
このキャリーを、各クラブでどれくらいか把握することは、ゴルフをする上で最も重要な要素のひとつです。「ナイスショットしたのに飛びすぎてOBになっちゃった」「ナイスショットしたのに池ぽちゃした」。。。でもナイスショットだから良かった、では、スコアになりませんね笑
しかし、打ちっぱなしの練習場で、ご自身のキャリーは把握できるでしょうか。ボールはレンジボールですし、練習場にある距離の表示板はそのレンジボールに合わせて補正しているケースも多い、風もある、、。最近は打ちっぱなし練習場でもトラックマンレンジ、など、外でも距離を測ることができる機器が設置されているところがありますが、それでも風の影響が入ってしまいますし、レンジボール補正になるので、実際のコースボールでどうなのか、なかなか把握しきれないと思います。
ですので、インドアゴルフ練習場で、計画な弾道計測器(トラックマンなど)で、コースボールで実際に各クラブで打ってみて、自分のキャリーを把握することはすごく重要だと思います。
トラックマンによると、PGAツアープロのドライバーのキャリー平均値は282ヤード、5番アイアンは199ヤード、7番アイアンは176ヤード、9番アイアンは152ヤードです。
LPGAツアープロのドライバーのキャリー平均値は223ヤード、5番アイアンは166ヤード、7番アイアンは143ヤード、9番アイアンは123ヤードです。
LPGAツアープロのドライバーは男性アマチュア平均よりも飛んでいると思いますが、一方で、7番アイアンは143ヤードと、逆に飛んでない印象になるかと思います。アマチュアのゴルフクラブはロフトが立っているものが多く販売されていることも要因でしょう。
キャリーはボールスピード、打ち出し角度、スピン量で変化する
ではこのキャリーは、何によって変化するでしょうか。重要な要素は、ボールスピード、打ち出し角度、スピン量となります。まずはクラブごとに、自分がどのくらいのキャリーなのかを把握しましょう。当店で体験対応をさせていただいた場合、大抵の場合は、「あれ?こんなに飛ばないの?」というコメントです。多くの方は、自分のキャリーを過大評価している傾向にあると感じています。
ではこの、ボールスピード、打ち出し角度、どちらが、キャリーに影響を与えるでしょうか?正解は、「ボールスピード」です。ボールスピードが1m/秒上がると、キャリーは約4ヤード増加します。そして、スピンロフトが高まる(=スピン量が増える)と、ミート率が下がり、キャリーは減少しますので、同じキャリーを出すためには、よりクラブスードを上げて、ボールスピードを上げていく必要があります。
この、クラブスピード(ヘッドスピード)は、筋力差以外には、クラブヘッドが描く弧の長さ、スイング半径、その弧を動く間に、どれだけ強くスピードを増やすか(加速度)によって左右されます。いわゆるコックを維持するというのは、このクラブスピードを上げるための鍵のひとつとなります。弧の大きさと、コック量(=半径と加速度)をどう組み合わせるかが大事ということですね。
自分のパワーのなかで、理想のキャリーを知る
そして、自分のキャリーを把握したあとは、それぞれのプレーヤーにとって、キャリーを最大化して、一貫性や効率を高めることが必要になってきます。どう頑張っても、クラブスピードは、筋力に影響されます。しかし、この自分のパワーの範囲内で、キャリーを最適化していくことが重要です。
トラックマンは、各クラブについて、プレーヤーのクラブスピード、アタックアングル(ドライバーの場合。アイアンはクラブスピードのみ)を前提として、最適な打ち出し角度、スピン量、キャリーなどを示してくれます。ご自身のクラブスピードであれば、もっと飛ぶはず、ということや、もっとスピン量を上げてより止めやすい弾道に、などをオプティマイザーという機能で一球一球示してくれます。
ドライバーのアタックアングルは飛距離に重大な影響を及ぼす
たとえば、ドライバーのヘッドスピード(クラブスピード)が42.5m/秒の人がいたとします。その人のパワー、とも言えますね。しかし、アタックアングルが変わると、理想のキャリーは大きく変化します。トラックマンによると、アタックアングルがマイナス6度強の場合、どんなに頑張っても、理想のボールスピードは60.7m/秒、キャリーは208ヤードになるという計算をしています(上記の42.5m/秒のクラブスピードで)。一方、アタックアングルがプラス6度強の場合は、理想のボールスピードは62.9m/秒、キャリーは239ヤードになるという計算をしています。同じパワーでも、アタックアングルによって、最適な飛距離が30ヤードも変わってしまうということです。

ドライバーで、マイナス(ダウンブロー)のアタックアングルの場合、ボールを高くあげるためには、さらにロフト(ダイナミックロフト)が必要になります。しかし、アタックアングルを変えずに、ダイナミックロフトを増やすと、スピンロフトが大きくなるため、スピン量が増えて、ミート率が下がります。一方、アタックアングルを増やす(アッパーブローにする)と、ボールが高く上がります。この方法では、打ち出し角度が増加しながらも、スピンロフトは低く抑えることが可能です。これによりスピン量が抑えられ、ミート率が上がります。
よって、クラブスピードが同じでも、アタックアングルを上げれば、ボールスピードが上がり、打ち出し角度が増加し、キャリーが増加します。アタックアングルを上げる=アッパーブローで打つためには、なるべく自分の重心位置をボールの後ろにキープする意識が必要でしょう。上体がボールに突っ込んでいってしまうと、ダウンブローがきつくなりすぎると思います。筆者は、なるべくアドレス時の背骨の角度(ドライバーの場合、アドレス時は正面からみて背骨はやや左に傾いている)をキープするようにしています。でもこれだけの意識ですと、悪い時はインパクト時に上体が起き上がって、左肩が上がりすぎてしまいます。前傾角度をキープしたまま、ダウンスイングしてボールに当てる意識も強く持っています。そうすると、スイングプレーンも寝過ぎず、適正値となり、クラブパスとスイングディレクションの差が小さくなってて、ボール軌道の安定感が上がってくると思います。
ヘッドスピード(クラブスピード)が落ちれば、打ち出し角度とスピン量を上げる必要
次に、アタックアングルは0度と固定した場合のキャリーの最適値をプロットしたものですが、ヘッドスピード(クラブスピード)が高ければ高いほど、打ち出し角度とスピン量は少ない方が良いです。逆にいえば、ヘッドスピード(クラブスピード)が落ちれば落ちるほど、キャリーを伸ばすためには、より高い打ち出し角度とスピン量が必要になります。

さらにヘッドスピード(クラブスピード)が低いと、最適なスピン量は徐々に減少します。この場合、スピン量は、ヘッドスピードが遅いとあまり弾道に影響しなくなるため、飛距離を伸ばすには、打ち出し角度を上げて行くことが一番重要と言えます。比較的非力な女性、シニアゴルファーの場合、ドライバーの打ち出し角度を最適化することがテーマとなってくるでしょう。
アイアンはクラブスピードによって最適値は異なる

この画像が実際のトラックマンのオプティマイザー機能を示しています。これは9番アイアンのデータですので、クラブスピードのみを前提として、トラックマンが、標準的なアタックアングルをモデル化しており、それが一番左の、青い棒グラフの範囲で示されています(マイナス4度弱〜マナス6度弱)。実際のアタックアングルはマイナス1.6度であったため、このクラブスピードであれば、よりアタックアングルをダウンブローに持って行くべき、ということですね。その結果、スピンロフトが下がり(左から2番目の青い棒グラフは、実際に打ったスピンロフト、37.3度より低い範囲を示している)、ボールスピードが上がって、キャリーは133ヤードまで伸びるはずですよ(このデータは123ヤード)、ということを示しています。すごいですね。
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