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クラブパスの真実はイメージとは違う(トラックマンをより楽しく)

  • 執筆者の写真: Taku Ouchi
    Taku Ouchi
  • 5 日前
  • 読了時間: 8分

更新日:3 日前

クラブパスの決定要素はスイングプレーン、スイングディレクション、アタックアングル


結論:クラブパスは、「スイングの向き(スイングディレクション)」だけでなく、スイングプレーンの傾きとアタックアングルで大きく変わる!


トラックマン(トラックマンの全貌とそのメリット)は、様々な計測データを提供してくれますが、ボールの曲がり方を決定するフェイストゥパス(クラブパスとフェイスアングルの差)の重要な要素であるクラブパス(インパクト時のターゲットラインに対するクラブヘッドの動き)は、毎球ごとに確認するデータと言えます。


下のトラックマンの図でいくと、右下にクラブパス(2.0度)が出ております。プラスの数値は「右(左から右)」を表しますので、2.0度のインサイドアウトということですね。これがマイナス2度であれば、クラブパスは2.0度のアウトサイドイン、ということになります。マイナスの数値は「左(右から左)」です。


この、右、左、という表現は、スイングする人の後ろから見て、ということですね。後ろからみて、クラブ軌道が左から右に移動しているのがインサイドアウト軌道、右から左に移動しているのがアウトサイドイン軌道です。

クラブパスとは

では、クラブパスの角度はどのようにして決まるのでしょうか。


「そりゃ、スイングの方向、スイングの向きじゃないの?」


と思いますよね。違うんです。


クラブパスの決定公式

となります。「は?」と思った方、もうしばらくお付き合いください。大人になったら絶対に使わないと言われる、サイン、コサイン、タンジェントのうち、タンジェント(tan)が登場しましたね笑


まずは、スイングディレクション、スイングプレーン、そしてアタックアングルとは何か、をご説明して、クラブパスの真髄に迫りましょう。


スイングディレクションはあくまでクラブパスの1要素


スイングディレクション(スイング方向)は、クラブヘッドの「幾何学的中心」が描く、スイング軌道の「底辺」と、ターゲットラインとのなす角度を表します。


イメージとしては、

・クラブヘッドが描く軌道はフラフープのような輪になります

・そのフラフープの一番低いところ(ローポイント)を通る線と、ターゲットラインの角度差、これがスイングディレクションです。

この角度が左を向いていれば、「左方向に振っている」、右を向いていれば「右方向に振っている」という、スイング全体としての振り抜く方向を表しています。


下の図であれば、スイングディレクションは右方向に5°ということになります。


スイングディレクションとスイングプレーンの関係
スイングディレクションとスイングプレーン

トラックマンは、ダウンスイング時の、膝の高さあたりからインパクト直前までの、クラブヘッドの三次元位置データを使って、その動きにもっともフィットする面(スイングプレーン)を計算し、その面の向きを測定することで、スイングディレクションを計算しています。よって、スイングディレクションは、たくさんのサンプル点(数百点)を使って、計算されています。


スイングプレーンの角度がクラブパスに影響を及ぼす


そして、上図の、クラブヘッドの「幾何学的中心」が描く軌道の面と、地面(水平面)との間の縦方向の角度が、スイングプレーンです。ここでは、45°、となっています。クラブヘッドのフラフープの円弧が乗っている面が、地面に対してどのくらい傾いているかを表す指標となります。


角度が大きいと、プレーンが立っている(アップライト)、角度が小さいと、プレーンが寝ている(フラット)、という言い方になります。


現実的にはあり得ないですが、もし、このスイングプレーンが90度、垂直であれば、クラブヘッドの軌道の面であるスイングプレーンと、クラブパスの方向は、アタックアングルがどんな値でも一致するということになります。


しかし、実際は、ゴルフスイングは斜めに振ります。ですので、スイングプレーンは必ず傾くことになります。傾くと、クラブパスを決定する要素のなかにアタックアングルが関係します。これがゴルフを難しくしている最大の要因の1つでしょう。


アタックアングルがクラブパスに関係するのはスイングプレーンが傾いているから


クラブヘッドは、ダウンスイングで膝の高さくらいから、クラブの最下点まで、どういう動きをするでしょうか。


「そりゃ、上から下に落ちていくでしょクラブ最下点までは」


はい。その通りです。それに加えて、スイング後方からみて、クラブヘッドは、左から右に動きます。ここが非常に重要です。


ダウンは右、アップは左

上の写真のように、ダウンスイングの時、クラブヘッドは、上から下へ動く要素があると同時に、左から右の動き、つまりインサイドアウトの要素も含まれています。逆に、フォロースルーに入ると(クラブヘッドが最下点を過ぎると)、クラブヘッドは、下から上の要素があると同時に、右から左への動き、つまりアウトサイドインの要素も含まれています。


ということは、クラブヘッドが最下点の前に、ボールを捉える(アタックアングルがマイナス、ダウンブローで打つという意味)と、その要素には必ず、クラブパスがインサイドアウトになる要素が含まれているということです。ですので、スイングディレクションとは別に、アタックアングルの要素も、クラブパスに影響を及ぼすということです。


ですので、クラブパスは、インパクトの瞬間における、クラブヘッドの進行方向(1点のベクトル)であり、同じスイングであっても、アタックアングルやローポイントの位置によって、インパクト時のクラブパスがずれるということです。


タンジェントは「高さ➗横の距離」=傾きを表す


クラブパスの決定公式

ある角度θにおけるtanθは、「高さ➗横の距離」=傾きを表します。さて、もう一度、クラブパスの決定式を見てみますと、スイングプレーンの傾き=tan(スイングプレーン)ですので、このスイングプレーンの傾き度合いが、クラブパスに影響を及ぼすということです。


例えば、スイングプレーンが45度、上図の場合、tan45°=1ですよね。ですので、スイングディレクションが5°(後ろからみて、左から右)で、アタックアングルが2°(アッパーブロー。最下点を過ぎて打っている)の場合、クラブパスは3°のインサイドアウト軌道、ということになります。つまり、アッパーブローに打つことによって、スイングディレクションがもたらすインサイドアウトの要素をある程度打ち消したということになります。


同じく、スイングプレーンが45度、スイングディレクションが5°(後ろからみて、左から右)で、アタックアングルがマイナス2°(ダウンブロー。最下点の手前で打っている)の場合、クラブパスは7°のインサイドアウト軌道、ということになります。こうなるとフェアウェイに打つのは難易度が高くなりますね。


大体、ドライバーを打つ時のスイングプレーンは45度前後だと思いますので、上記のイメージで計算しやすいです(tan45°=1なので)。


そして、このスイングプレーンが低くなればなるほど、クラブパスが大きくずれることになります。例えば、スイングプレーンが30°だった場合、tan30°=約0.58ですので、アタックアングルの約2倍、スイングディレクションからクラブパスがずれることになります。


一方で、スイングプレーンが60°だった場合、tan60°=約1.73ですので、アタックアングルの影響が減少し、スイングディレクションに近いクラブパスになりやすい、ということになります。


よって、長いクラブ(スイングプレーンが寝る)ほど、ボールのブレが大きくなってしまう、ということですね。

個人差はありますが、6番アイアンだとスイングプレーンは60°あたりでしょうか、そしてピッチングウェッジやサンドウェッジになるとさらにスイングプレーンはアップライト(65°前後)になってきます。スイングプレーンがアップライトになればなるほど、クラブパスの要素に占める、アタックアングルの影響が小さくなり、クラブパスはスイングディレクションに近くなりやすいということです。


トラックマンでは、こういった数字が一瞬にして出てきます。


トラックマンで示される画像

ほー楽しいなー、と思った方は僕の友だちです笑。


ドライバーはよりインサイドアウトに振り抜く意識が必要


ドライバーは、基本的にはクラブ最下点を過ぎたところでボールを打つ(アッパーブロー)必要がありますので、それだけで、クラブパスはアウトサイドインになりやすいわけです。


アタックアングルがプラス2°のアッパーブローでドライバーを打ち(スイングプレーンが45°)、スイングディレクションが0、つまり目標方向にまっすぐ振り抜いた場合、クラブパスは、0マイナス(2度)=マイナス2度、つまりアウトサイドイン2度の軌道になります。


ですので、クラブパスを0、まっすぐ打ちだすためには、スイングディレクションを2度、目標よりも右に傾ける必要があるわけです。よくティーチングプロの方が、ドライバーは右に振り抜きなさい、というのは、こういう理由があるわけですね。


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